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2007年05月12日

園長のエッセイ~命の継承

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生息地域での個体数の減少により保護をしなくてはいけない絶滅危惧種といわれる動物がいます。彼らは動物園でも飼育されています。そして動物園での繁殖もとても重要視され、協力して繁殖を試みています。日本には絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する立派な法律(種の保存法)もあります。

さて、みなさんは日本の動物園に何頭位ラクダが飼育されていると思いますか?

*フタコブラクダの飼育頭数は40頭/飼育園数は23園(そのうち“つがい”でいる園数は11園)
*ヒトコブラクダの飼育頭数は33頭/飼育園数は16園(そのうち“つがい”でいる園数は9園)
(2005年日本動物園水族館協会加盟園館調査より)

この数字を見ると意外に少ないことが分かると思います。ラクダは前述の種の保存法では守られていませんが、当園で飼育されているフタコブラクダのクララ(11才・メス)を秋田県にある大森山動物園へお見合いに行かせたのは日本の動物園で暮らすラクダの数を増やすためです。

世界的に見ると、ヒトコブラクダはオーストラリアで2次的に野生化している他は家畜化されており、フタコブラクダも近年急激に数を減らしてきていて、ヒトコブラクダと同じように家畜化された個体がほとんどをなっています。まさに野生は絶滅が危惧されているのです。
原産地からの輸入は、家畜伝染病予防法の関係で非常に難しいので、やはり動物園同士での繁殖しか方法はありません。ラクダはとても飼いやすい動物です。病気にもなりにくく、寒さにも暑さにも強いのですが、妊娠期間も14ヶ月と長く、ゾウと同様に4~5年に1頭くらいしか出産しません。今回の試みで交尾は何回も確認されました。来年の春に期待しましょう。

動物園で生まれ育った動物を動物園動物といいます。彼らの会話の中で親が自分の育った環境を話すことはあってもその子供は一生それを見ることそして経験することはできません。一生限られた空間の中で人間と共存しながら過ごします。そしてそれも彼らの運命であり大切な命の継承でもあるのです。そして種の保存という意味もあるでしょう。

動物園もいろいろな特色を生かして展示しています。一昔前は珍しいものが主流だったようですが、私は最初から皆様に動物の臭いや感触、舌の色や爪そして彼らの優しい瞳などなるべく近くによって見ていただきたいと思っていました。
小さな小さな動物園ですが、暮らしている動物たちはとてもおとなしく、人間が大好きです。お客様の中にはあまりにも近くによりすぎ、思わず手を出してかまれたりすることもありますが、インコやウサギによるケガがほとんどです。ゾウのような大きな動物にさわれる、乗れることも私の動物園の大きな魅力だと思います。それが出来るのは本場タイのゾウ使いがいつもたくさんいて、私のぞうさんと信頼関係を持っているので私は安心しています。

ELPHA FRIENDS & LEA NEWS 2007春号より抜粋

投稿者 elfstf : 2007年05月12日 10:32